"Esperanto en Prospektivo ---Esperantismologia Studo"

originale verkita en Esperanto
                                                        de Giordano Moya Escayola
   (1989年にスペインのBarcelona Esperanto-Centroが出版、150p)
 ジオルダーノ・モヤ・エスカヨーラ著 (原文はエスペラント)
 「 エスペラントの将来展望――エスペラント普及運動について」  

訳者:板垣暁子, 加藤 巌, 紀太良平、小林 司、中塚公夫、
 中村大真、藤巻謙一、山口美智雄、山崎良文
(訳監修:小林 司)

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   この邦訳は、2001年の日本エスペラント大会(宝塚)における「アルジェンタ・グルーポ」の分科会で決まった分担翻訳を、2001年11月20日から2002年7月の期間に9人の訳者がおこなったものである。(「アルジェンタ・グルーポ」は、日本の高齢者エスペランティストを中心にして、自由時間を使って、エスペラント運動のために主として共同翻訳ヴォロンティア活動をしようとして1994年に設立された団体であるが、今では若い人も参加している。現在の会員数は9人。既に3冊の訳書を出し、ほかに2冊の翻訳を終えているが資金難のために出版できずにいる) 

 この翻訳の底本は、韓国のテグ市に住む長年の友人エスペランティストKIM Young Myung(金 永明)博士がテグのエスペラント会での輪読(後に翻訳出版)に使われた自分の本を、「一読を薦める」と言って小林にくださったものである。部分的には賛成出来ない点もあるが、全体としては興味深い内容であるし、内在思想やホマラニスモを採り上げた本は少ないので、共同翻訳してはどうかと、分科会に小林が提案して、賛成された。

 訳文中で使った略号は、  E=エスペラント、 Z=ザメンホフ の二つである。
なお、訳語について説明しておく。esperantismoを「エスペラント普及運動」と訳した。これは、ブーローニュ宣言の定義「Esperantismo estas penado disvastigi en la tuta mondo la uzadon de lingvo neuxtrale homa(エスペランティスモとは、どの民族の言語でもない全人類的な言語の使用を世界的に広める努力を指す)」に従ったものである。また、sennaciismoを「無国民主義」、 SAT(Sennacieca Asocio Tutmonda)を「全世界無国民協会」と訳した。これまで、日本では「無民族主義」、「世界無民族協会」と訳されてきたが、SATが綱領の中で「すべての国家と国民とをなくす」ことを目的に掲げているから、「無国民」が正しい(「民族」をなくすことは出来ない。)。本多勝一にならって、「米国」を「アメリカ合州国」と訳した。
 ザメンホフが書いた文章の引用は、「国際共通語の思想」(新泉社、1997)の水野義明さんの邦訳を使わせていただいた(訳者によっては、手元にこの本がなかったために、自分で訳した場合もある。) 寛大な許可を下さった水野さんに感謝したい。
 訳語・口調・文体の統一、フロッピー制作、訳書出版に関する交渉などは小林がおこなった。訳文の最終責任は小林にある。
 本来は、アルジェンタ・グルーポ会員の分担翻訳であるが、人数が少ないので、会員外の中村さんと藤巻さんに支援していただいた。お二人にも感謝している。
 出版資金がないために、青山徹さんと中塚公夫さんにお願いしてホームページで読めるようにしたが、希望者には訳文を収めたフロッピー・ディスク(送料込み実費300円)、または CD-ROM(送料込み実費400円)(いずれも切手で可)到着後支払い、で配布できる。配布申し込みはメール YFA17460@nifty.com (Aの次は数字のイチ) 小林 司まで)。なるべく多くの方に読んでいただきたい。

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           裏表紙にある 本書についての紹介 (この項は 小林 司訳)

著者 ジオルダーノ・モヤ・エスカヨーラ(GIORDANO MOYA ESCAYOLA)の顔写真(省略)
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         本書 ”Esperanto en Prospektivo(エスペラントの将来展望)" の内容

"Prospektivo"という単語の意味は、P.I.V.(「イラスト入り エスペラント大辞典」)によると、次のとおりです。「世界の進化発展を促している原因、つまり、科学的、技術的、経済的、社会的な観点から見た諸原因についての科学であり、また、それらの諸原因がひきおこす可能性のある、そのときそのときの状況についての科学である」     
このような標語を掲げて、「人間の生きかた(Homa Vivaventuro)」の著者でもある本書の著者ジオルダーノは、L.L.ザメンホフの考えと、エスペランティストの運動の根底に横たわっている思想とを分析しました。そして、それらの思想こそが、私たちの現実の文明を変えていくことを可能にする力を持っている思想なのだ、と結論づけています。

人類の1900余年の歴史的遺物を背負い込んでいるにすぎない いろいろな社会的イデオロギーが全能力をすでに出しつくしてしまっている現代において、原子力の危機におののく現代において、また、日常の道徳的退廃がもたらしている知的混沌のさなかにあって、エスペラントの「内在思想」に潜んでいる精神が、新しい人類の文明をどのようにして 統一・平和・自由へと導くことが出来るのか、ということを 本書の大部分を割いて、この著者は示しています。               (この項は 小林 司訳)

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