図書紹介

エスペラントの紹介書
クロアチアで

ESPERANTSKI MOZAIK

Davor Klobucar著 Liberiga Stelo発行Osijek, 2003年、318ページ 120クローネ(約2,000円)
    このたび、クロアチアで、すばらしいエスペラントの紹介書が発行されたので、紹介する。
クロアチア語ではinformlibroとなっているが、日本でいえば土居智江子さんの「地球時代のエスペラント」のようにエスペラント全般について詳しく説明している。後半が入門書になっている。大きさは17cm×24cmと大きく、La Revuo Orientaより一回り大きい。表紙はザグレブ世会大会の写真がカラーできれいである。さらに318ページもあり、紙は上質紙で厚いので、どっしりしている。因みに前述の「地球時代」は13cm×18cmで212ページである。

残念ながら一部はあまり鮮明ではないが、写真がふんだんに入っているのも良い。エスペラントの紹介図書として、非常に魅力的である。
この本は2000年に第1版が120ページで発行されたが、2001年のザグレブでの世界大会を機に大幅に改訂されたものである。
内容を紹介するために、目次を挙げてみる。
1.エスペラントとは。 2.エスペラントの実用例。 3.エスペラントの諸大会。 4.クロアチアの運動。 5.著名なエスペランチスト。 6.論点。 7.インターネット討論。 8.エスペラント読み物。 9.クロアチアでの第86回世界大会。 10.クロアチア大会関連写真。 11.エスペラント文法概要。 12.練習文。
1.ではエスペラント誕生の話やザメンホフの一生はもとより、UEA、UK、PIVやエスペラントの旗、「危険な言語」にまで言及している。
2.では文学やパスポルタ・セルボ、ホームページからエスペラント雑誌、音楽、ラジオ放送、エスペラント博物館、delegitoやZEOまで取り上げている。文学では宮本正男が紹介されており、delegitoでは日本のdelegitoを例示している。またE-Domoの一つとして八ヶ岳エスペラント館も出てくる。
5.ではスポメンカも出場している。
6.では「エスペラントと英語のこと」、Esenco kaj Estonteco、 Lingvaj Respondoj、 Esperanto en Perspektivoの内容などがクロアチア語で説明されている。
8.ではエスペラントでよく読まれている本などが写真とともに紹介されている。ザメンホフのブローニュでの演説、Enciklopedio de Esperanto、Suda Stelo、Karlo、Vojag^o en Esperanto-Lando、Historio de Esperantoなどで、なかに「裸足のゲン」もある。
    この本で最も力をいれているのが、世界大会関係の情報・記事である。9.は70ページが費やされており、大会のプログラムから遠足、大会宣言、大会新聞まで載っている。また大会関係者としてはUEAやLKKの人はもとより、参加者の印象記や色々な雑誌に載ったものまで、採録されている。私も著者からの依頼で2ページほど書いた。またLa Revuo Orientaに載った日本人参加者3人の印象記もある。
10.もまた会場内でのいろいろな写真、エンダビー、メシッチ、オシボフ氏など、またinternacia arta vesperoでの演技、国立劇場や演目の写真、大会を機に設置されたmonumentoのfuturoもある。日本関係では湧命法の実施場面も。
11.12.は簡単な文法と練習文として、あいさつ、コント、詩、ことわざなどが載っている。
SATのバルコビッチさんはザグレブの出であるが、この本を賞賛していた。日本でも今後、同様の本を出すときには充分に参照する価値のあるものとして、紹介した次第である。
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